09/08/02アヴァン・ロックの具現化

C'est Com...Com...Complique / Faust

後のポストロックに影響を与え、ロックにおける「ノイズ」という要素を浮き彫りにさせた張本人、ジャーマン・クラウトロックの旗手:Faustの09年新作。

聴くのも怖い「ファースト・アルバム」の排他的な空気は薄らいだが、E. Neubautenに通じるインダストリアルを持って不気味に響く不協和音には、一聴した段階では「Faust=怖い」という印象が取れないままだった。(最初はその怖いもの聴きたさで買ったんだけど)

ただ本作を聴くにつれ驚いたのは、TortoiseやSonic Youthとの共通点がいくつも在ることにやっとこさ気が付いたという事だ。ワケの分からない存在だったFaustに攻略の兆しが立ったのは素直に嬉しく、これで胸を張って「Faustはすごい」と言える(笑)。

本作はそのFaustのロックを分かりやすく表現していて、分厚くうねるベースとストイックにリズムを刻むドラムが何とも心地よく、重ねられるノイズギターのレイヤーは時に暴力的で、時に美しく響く。呪術的なボーカルや荘厳なオーケストラバック、どこぞの民族音楽が良質なオカズとして機能していて、曲に強烈なインパクトを埋め込んでいる。

そうこう感じているうちに、本作もといFaustの作品を好きになっていく経緯が、僕の中で、PiLの「Metal Box」とそっくりな事に気づいた。
本作の分かりやすさ、そしてFaustチルドレン達の手によって、初めてFaustというアヴァン・ロック絶対神の凄さが分かった気がする。

本作の動画が見つからないので「IV」収録#Krautrockのライヴ。

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