08/07/26インテレクチュアルプログレッシブアヴァンギャルドスラッシュ
Phobos / Voivod
カナダのスラッシュ界には優秀なバンドが多い。
刻みリフの天才ジェフ・ウォーターズ率いるAnnihilator、爆走するキレまくりギターでカナディアンスラッシュを世界に知らしめたRazor、そしてプログレやハードロックを飲み込み独自の音を奏でたこのVoivodが代表格と言えるだろう。
97年発表の9th"Phobos"は、火星の惑星Phobosをテーマとしたコンセプトアルバムで、サウンド面にもそれをなぞらえた効果音を散りばめている。
なによりも特徴的なのが作品全体を覆いこむPiggyによるノイズギター。
これがコンセプトにハマりまくっており、惑星Phobosの恐怖感を浮き立たせる。もはや「幻想的」とまで表現したい、空間を支配するノイズがトリップを誘う。
スラッシュメタルの疾走感とノイズ/アヴァンギャルドの虚無感が組み合わさり、また新たなヘヴィネスを構築した傑作。
#21st Century Schizoid Manの超ノイジーなカバーも素晴らしい。
どうやら人気のない作品になっているが、見過ごすにはもったいなすぎる。
2000年以降、01年に初期のSnake(G,Vo)が復帰、元Metallicaのジェイソン・ニューステッドが加入、そして05年にPiggyが死去。この作品時のメンバーはドラムスのAwayのみとなってしまった現在、Voivodはストレートなヘヴィロックをやっている。
Piggyという前衛思考のギタリストがいなくなってしまったのは本当に残念。
フロイドやクリムゾンの影響を感じさせる、プログレッシブなスラッシュはVoivodにして唯一無二だったといえよう。
#The Tower
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